積みプラ戦記

HGUC シナンジュ レビュー

シナンジュについて

U.C.0094年。AE(アナハイム・エレクトロニクス)社の貨物船団が襲われ、大量の物資が強奪される事件が発生する。貨物の中には、地球連邦軍による宇宙軍再編計画 の一環「UC計画」に組み込まれていた複数の試作モビルスーツが含まれていた。その内の一機は、最新のサイコミュ技術「サイコフレーム」の強度・追従性をテストするため、 一般パイロットの操縦では計測不能な限界数値を取得するべく、機械上での試験を主とした「極めて端的」な機体であった。ファンネル等のサイコミュ遠隔操作兵器は一切設定さ れておらず、標準範囲に対応した最低限の武装に止められていたことも加え、戦闘兵器としてはバランスの悪いモビルスーツと言えたが、その評価は常人による皮相的な見方でし か無かった。???犯行はネオ・ジオン残党軍の手によるものと断定されたが、連邦政府を震撼せしめたのはその首謀者の存在であった。「フル・フロンタル」と名乗る男の登場 は、後に「袖付き」と仇名される新たなネオ・ジオン残党軍の蜂起を十分に予感させる熱気を孕んでいたのである。非現実的な性能を掌握するためには、同様に非現実的な技能を 持った搭乗者が必要となる。強奪された「極めて端的」な機体は、「シャアの再来」と噂された彼の新たな乗機として、かくあるべき姿へと変貌していった。背面と脚部側面に セットアップされた大型のフレキシブル・スラスターは、機体追従性を向上させるサイコフレームの利点を追求した本機に対する澱みない答えとして、その存在意義を誇らしげに 主張する。この機構を初めとして、全身に配されたスラスター群を使いこなすフロンタルが生み出した機動と、真紅に塗り替えられたカラーリングを纏った雄々しい姿は、噂を真 実に変える力を十分に示した。フル・フロンタルを「赤い彗星」として認めざるを得ない説得力を与えたモビルスーツ、それが《シナンジュ》なのである。

SPEC:
形式番号:MSN-06S
全高:22.6m
本体重量:25.2t
ジェネレーター出力:3,240kw
装甲材質:ガンダリウム合金
武装:
60mmバルカン砲
ビーム・ライフル→専用開発されたビーム射撃兵装。腰部にマウントする一般の物に比べて高出力ではあるが、特殊な機能は備えられていない。しかし、それを操 るフロンタルの精密 な射撃能力により数値では表せない脅威を相手に示す。銃身下部に、アドオン方式のグレネード・ランチャーを装着可能。
ビーム・サーベル / ビーム・アックス→前腕部に収納装備されているビーム・サーベルを初めとして、高出力のビーム・アックスをシールド裏面に装備してい る。2基のビーム・アックス は連結することで、柄の両端からビーム刃を形成するビーム・ナギナタとしての使用が可能であり、相手に対して死角のない近接攻撃を行う。
グレネード・ランチャー / シールド→裏面のマウントアームに装着された2基のビーム・アックスを展開発振する、攻防一体の多目的防御装備。裏面先端部に はグレネード・ランチャーの 装着も可能。強奪事件後は『袖付き』による改修を受け、自軍の紋章をモチーフとした形状に改められたことにより華美な印象を強めた。
その他:
フレキシブル・スラスター→背面と脚部に備えられた、本機の特徴とも言える大型推進器。ユニット自体に可動領域が備えられたことにより、いかなる姿勢におい ても、驚異的な推力を もって操縦者の機動イメージを具現化する。巨大な翼を想起させるユニット形状は最大出力時において、その名の通り「羽ばたく」。
(組立説明書 機体解説より抜粋)


組立説明書の機体解説に詩的な表現が多いのは、原作者の福井晴敏の表現方法から来てるのだろうか。
シナンジュはネオ・ジオン側の首魁であるフル・フロンタルが登場する最も高性能機なわけであるから、それなりのビジュアルも要求される。最初に見たときはフェイスがカブト ムシっぽい印象で新鮮だと感じた。ダンバインと少しイメージが重なるかな。羽が生えたようなシルエットと全身のエングレービングがなかなか優雅な見た目となっている。
一方で、武装はモビルスーツでは標準的なビーム・ライフル、シールド、ビーム・サーベル等でありながらかなり大型のものを使用しており、それが凶暴さをイメージさせていて ミスマッチのようでちゃんとマッチしている組み合わせだ。 ネオ・ジオンの首魁といえばシャアであり、シャアの乗機であるサザビーはジオン系ではもっとも優美な機体であることは間違いないが、それとは少し趣を異にした次代を継ぐに ふさわしい機体がシナンジュだと言えるだろう。

結構足が長い。ユニコーンよりもひと回り大きく、武装類も全体的に大きいのでかなり迫力がある。


Last updated: 21 Mar. 2018