積みプラ戦記

HGUC ネモ(ユニコーンVer.) レビュー

ネモ(ユニコーンVer.)について

宇宙世紀0087年に勃発した地球連邦軍の内乱を端とするグリプス戦役。その一端であるエゥーゴに向けAE(アナハイム・レクトロニクス)社が開発を進めていたRMS-108《マラサイ》は当時の政治的判断により、あろうことか対するティターンズに引き渡されてしまう。その代替機として、AE社はエゥーゴと共同開発を行い、ジム系の発展型となる新たな量産機を生み出した。それがMSA-003《ネモ》である。既に配備されていたRMS-179《ジムⅡ》も同様の発展系機体であったが、旧式機に近代化改装を施した設計の《ジムⅡ》に対し、当時の最先端技術の粋を凝らせた最新機体である本機とは基礎スペックに歴然の違いがあることなど容易に想像がつくものであった。実際のところエゥーゴ側のRMS-099《リック・ディアス》やMSN-00100《百式》の生産データを経て新規に設計が行われた本機の基本フレームは、宇宙空間はもとより、重力下の熱帯地域や寒冷地というあらゆる環境下での活動を可能とする汎用性を獲得し、前述の《マラサイ》によって確立されたガンダリウムγの量産化技術もまた、本機の装甲部材にさらなる高性能化とコストダウンを実現させる礎となったのである。AE社による複雑に入り組んだ政治的判断は、相対する両陣営の技術を《ネモ》へ取り入れる形となり、戦力の備蓄に乏しく、苦戦を強いられてきたエゥーゴを勝利へ導く一因になったことは明らかであった。グリプス戦役においてもっともバランスの取れた量産機という呼び声も高い《ネモ》は、戦役終結後にエゥーゴから地球連邦軍へと所属を変え、さらなる後継機が開発されてもなお継続して運用されることとなる。U.C.0096年現在においてもその汎用性の高さから、主に連邦地上軍の軍事施設に配備されており、同年にジオン公国残党軍との交戦記録が残されている。

SPEC:
形式番号:MSA-003
全高:18.5m
本体重量:36.2t
ジェネレーター出力:1,620kw
装甲材質:ガンダリウム合金
武装:
ジム・ライフル:一年戦争終結後に開発されたMS用携行火器であり、換装可能な実体弾式汎用マシンガンのロングバレル仕様。有効射程の延長と高い集弾率を維持するこの組み合わせはジム・ライフルと呼称され、U.C.0096年においてもなお現役である。
60mmバルカン砲:多くの連邦軍モビルスーツが装備する標準的な基本武装は、ジム系の発展型である本機のヘッドユニットにも採用されており、近接戦闘時に最大限の効果を発揮する。
ビーム・サーベル:プラズマ状のビーム刃を発生させ、対象を溶断する白兵戦用兵器。リック・ディアスや百式などが採用したものと同等品であり、通常はリアアーマーのサーベルホルダーにマウントされている。
シールド:本機に専用開発された防御用兵装。取り回しに配慮し、スライドによる伸縮が可能。シールド裏側にはオプションラッチが装備されており、上部先端は打突攻撃用途にも対応している。
その他:
バックパック:ジムⅡと比較して明らかな性能向上が認められた本機のバックパック、そして脚部のスラスターは、一年戦争末期に開発されたジムのスナイパータイプにも同様のレイアウトが採用されており、きわめて優れた設計であることがわかる。
脚部フレーム:あらゆる環境下において十分な機動性を発揮できる本機の脚部フレームは、当初から地球降下作戦の運用も想定されていたことから、特に柔軟性と耐落下・衝撃性 に配慮した構造が図られている。
(組立説明書 機体解説より抜粋)


機動戦士ガンダムUCではユニコーンverと、UCデザートカラーverの2種がキットとしてリリースされた。もともとΖガンダムの機体が再登場したものなのに、色違い機体まで出すとは。ネモって人気機体なのか。作品では地球にある連邦軍基地に配備された旧型機として登場する。ガンダムUCのよいところはこの旧型機を単なるやられ役として扱っていない点だ。ジオンも旧型機で強襲、迎撃する連邦軍もほぼ同世代の旧型機。互いの境遇を理解するような描写と見せ場を作ってくれている。落ち着いたらもう一度映像を見たい。

全体を正面から。初出は機動戦士Zガンダム。エゥーゴ側の主力量産MSで、敵対するティターンズの主力量産MSとライバル関係にあった。元々グリーン系だったはずだが、ユニコーン版ではライトブルーに変更されている。

背面。当時の意匠は角張ったものが多かったのだろう。

写真を撮るためにいじっていたら気が付いたのだが、HGUCのガンプラで腰だめとはいえライフルを両手で構えることができるというのはなかなか珍しいのでは?角張ってあちこち張り出してるデザインの割に可動領域はなかなか広くポージングに優れている。

ライフルと手首パーツ。この手首パーツの微妙な曲がり方でライフルを構えたポーズがつけやすくなっている。ちなみにこのライフルはジム・ライフルと呼ばれるもので、実体弾タイプらしい。地上配備には実体弾が似合う。

顔にかなり寄せてライフルを構えることができる。これでただ突き出すよりもずっと狙いを定めているようになりリアリティが増す。ガンダムとはいえ、ロボットとはいえここは大事だと思うのよ。

角度を変えて撮影してみたが、なかなかにちゃんとエイミングしているでしょう。シールドもしっかり前面をガードできるように持たせられる。

ビームサーベル装備。ポージングの研究不足で、あんまり格好良くできない。

機動戦士ガンダムUCの地上編では一年戦争、グリプス戦役で活躍したMSが多数登場する。これもそのひとつ。そしてここあたりからがガンプラ購入地獄の始まりだったように思う(この作品においては)。


Last updated:09 Sep. 2023