積みプラ戦記

HGUC アイザック/ガザC/ギラ・ドーガ(ユニコーンVer.)セット レビュー ガザC編


ガザCについて

ガザCの最大の特徴は生産性の高さにあり、機体そのものの機動性や運動性はほとんど顧みられていない。バックパック先端のビーム・ガンおよび近接戦闘用の ビーム・サーベルに標準以上の威力はなく、機体の挙動に依存する近距離戦闘はほとんど考慮されていない。兵装として優れているのは「ナックル・バスター」 と呼ばれるビーム砲のみと言っても過言ではなく、これは集団戦闘による一斉掃射などの戦術を用いることによって有効に機能する。また、艦艇に列をなして 貼り付き、可動式のビームファランクス砲台としての運用法も想定されていた。小惑星アクシズが属するアステロイドベルトは、火星と木星の間の広大な領域 に拡がり、太陽からの距離は地球に比べ二倍から四倍もある。太陽光も充分には届かず、食料の生産能力や1G環境を生み出せる施設などは極端に少なく、逃亡 当初の数年間は極端な窮乏生活を強いられてきた。ガザシリーズは、居住施設である“モウサ”の建設作業に投入するため作業用に開発された機体であり、 生産性が最優先された。かくしてガザA、Bの開発には、数千機のザクを量産した公国軍の量産技術が存分に投入された。コストを下げるために汎用性の高い部材 を各所に流用し、工程を減らすため機体構造は高度に単純化され、建設作業に不要な機能は徹底的に排除された。ガザCは、それに武装を施した改装機であり、 可変機構にしても、MSとして“人型”の体裁を整えるための窮余の策だったという説もある。それでも、限定された戦況においては要求性能を完全に満たしていた。 また、その生産目的は初めての戦闘においてほぼ達成されていた。すなわち、地球圏帰還時までに必要な頭数を揃え、アクシズの戦力がエゥーゴとティターンズ の戦力比に影響するものである事を双方に認識させることである。事実、エゥーゴとティターンズは先を争ってアクシズとの共闘を申し出てきた。これはある意味で、 かつて「戦いは数である」と公言していたドズルの持論を体現した戦略であったと言えるだろう。

”ガザC”はアクシズが開発した可変MSである。一年戦争の終結に伴い、火星と木星の間の小惑星帯アステロイドベルトの宙域まで逃げ延びたジオン公国 軍の残党は、採鉱および木星航路の中継基地であったアクシズを潜伏拠点とするため、居住設備を拡充する必要があった。その作業用の機体としてガザA、 ガザBが開発され、小型のコロニーに匹敵する規模の球形居住施設”モウサ”の建設に投入された。当初の指導者であるマハラジャ・カーンは、アクシズで の永住も視野に入れていたが、マハラジャの死後、その方針は転換され、地球圏への帰還が決定した。それに前後して、作業用のガザシリーズを生産する設 備を流用してガザCが開発、生産されることとなった。本来が作業用の機体である上、MAとしても運用できるよう可変機構を採り入れたせいもあって運動 性や、機動性は決して優秀とは言えず、また、当時のアクシズには組織的にパイロットを養成する設備も機関も確立されておらず、パイロットの練度不足も 問題であった。それらを補うべく、生産性が最優先され、砲撃戦を中心とする集団戦術が想定された。実際には、ナックル・バスターの搭載とジェネレー ター強化が計られ、各ユニットは動力ケーブルによってリンクされている。アクシズにおける開発コードはMMT-1であり、AMX-03は地球連邦がア クシズ製の機動兵器の分類のために振り分けたものである。

SPEC:
形式番号:AMX-003
全高:22.5m
本体重量:40.8t
全備重量:72.5t
ジェネレーター出力:1,720kw
装甲材質:ガンダリウム合金
武装:
ナックル・バスター→右腕の前面に据えられたセンサーとリンクしており、パイロットの練度に関わらず有効な砲撃を加えることができる。また、密集隊形時 には近接機と連携して連装砲として有機的な砲撃も可能。
ビーム・ガン→元々はサーベルと兼用可能なデバイスとして開発されたものだが、コストダウンのためにサーベルの生成機能を省略しつつ、単機能化することで 性能を維持している。
脚部クロー→元々は背部ブロックがメインユニットで、脚部クローが土木作業用マニピュレーターであった。構造的に重力下での歩行は考えられておらず、 敵機の捕獲や砲架としての運用が想定されていた。
ビーム・サーベル→量産性を最優先開発されたデバイスだが、威力は標準レベルを維持している。
その他:
変形システム→各ユニットは動力ケーブルによって連結されており、モジュールの移動や変形に対応している。
(組立説明書 機体解説より抜粋)


ガザCは移動砲台に可変できる量産型MSだ。生産コストが最優先されていると解説に記載されている通り、可変といっても簡易的なものであり、した がってMS形態も砲台のシルエットがそのまま残ってしまっている。このいかにも廉価版なデザインがまたなんとも言えないガザCの魅力といっても良いの ではないか。

キットを製作してみた感想。まず造りが非常に良くできている。可変できるとはいっても構造は単純なのだが、肩部にロック機構が備えられていたりと安 定して固定できるような仕組みが施されている。
付属する武装は本体に直結したナックル・バスターという名前のビーム砲だけで構えるというよりは手を添えるだけなのでポージングで楽しもうという意欲 は沸かないが、その分変形できるからそれでもいいのだろうと思う。


Last updated: 16 Nov. 2017