積みプラ戦記

HGUC アイザック/ガザC/ギラ・ドーガ(ユニコーンVer.)セット レビュー アイザック編

アイザックについて

RMS-119アイザックは、グリプス戦役初期の地球連邦軍の主力MS(モビルスーツ)であったRMS-106ハイザックを偵察用に改造して 電子戦に特化させた機体である。M(ミノフスキー)粒子の電波阻害効果は絶大であり、いわゆる長距離レーダーやミサイルの遠隔誘導は無効化された。U.C.(宇宙世 紀)0079年勃発した一年戦争以降、直接目視による戦闘が主要戦術となったものの、艦艇やMSには依然として赤外線/レーザーセンサーなどとともにレーダーは不可欠のも のとして装備されている。なぜなら、M粒子は急速に拡散する特性があり、戦闘時には濃度を維持するため頻繁に散布を繰り返す必要があるからである。そのため、戦時下であっ ても領域によって濃度にはムラがあり、逆に言えば、平時の航行や移動に関してレーダーなどのセンサーは依然として運用すべき装備なのである。さらに、M粒子の分布する領域 を検証することそのものが有効な索敵手段として機能するケースもある。実際、一年戦争当時のジオン公国軍は、ザクを改造した強行偵察機を数種開発し、それらにはM粒子によ る電磁波の電波阻害を算出するデバイスが搭載されていた。U.C.0083年頃には地球連邦軍に於いても通常の索敵手順として採用されていた。電子戦が無効化されたとはい え、それに適応した索敵、偵察行動の有効性は疑い用のないものだったのである。本機の最大の特徴である頭部と一体化したレドームは、大型のパッシブ・レーダー・システムで あり、敵機が発するレーダー波などを超長距離から正確に探知する。また、ドーム下面には後方/対地監視用のモノアイを装備しており、高高度からの光学撮影も可能である。 レーザーや赤外線を用いたスキャニングシステムも専用のスペックのものを装備しており、M粒子散布下であっても通常のMSの倍以上の距離を高い分解能で観測することができ る。収集したデータはバックパックに装備した指向性のディスクアンテナによって送信するが、直接通信が不可能な場合には、強固な物理防護を施されたデータ・ポッドに記録し て放出する。ポッドは味方に回収されるまで特殊な周波数で識別コードを発振し続け、記録されたデータも解除コードを入力しない限りデコードできず、手順を誤ればデータは破 壊され、敵の手に渡るのを防いでいる。基本的には偵察専用のMSであり、重量バランスなど戦闘には不向きな機体だが、ハイザックが運用する火器は全て使うことができる。腕 部を改造した探査ユニットや自律AI搭載ポッド、頭部形状の異なるバリエーション機なども計画されていたようだ。開発したのは地球連邦軍だが、U.C.0088年8月29 日のネオ・ジオンによるダカール侵攻の際に、他の機体とともに反連邦組織の手に渡った。

SPEC:
形式番号:RMS-119
全高:19.2m
本体重量:41.6t
全備重量:73.5t
ジェネレーター出力:1,430kw
センサー有効半径:26000m
装甲材質:チタン合金セラミック複合材
武装:
ザク・マシンガン改→基本構造はジオン公国製のザク・マシンガンとほぼ同等で、光学系のセンサーを地球連邦軍の規格に合わせただけの火器。ただし、精度はジ オン公国製のもの より向上している。
その他:
レドーム→各種探知機と、その情報を統括するデータシステムが搭載されている。最大解像度で運用する際は、機体の排熱を最小限度まで絞り込む。状況によって 内部のディスク ユニットが物理的に回転して全周囲を走査する。
アクティブレーザーセンサー→航宙艦艇クラスの射程をもつアクティブレーザーセンサーユニット。頭頂部のオプティカルセンサーとの協調運用も可能。
グランドセンサーアンテナ→宇宙空間では頭部ブレードアンテナのサブおよび複数の周波数帯を補完するリンケージシステムを構築する。重力下では対地用のグラ ンドセンサー として機能する。
データ・ポッド→収集、記録した情報を味方に送るためのもの。識別コードを発信し、物理的にも電子的にも何重もの情報漏洩防止手段が講じられている。
通信用ディスクアンテナ→複数形状のアンテナを内装し、強力な指向性を発揮するレドームユニット。左側のユニットは、後方監視のためのリア・シーカーであ る。
プロペラント・タンク→単騎での超長距離移動を任務とする場合が多く、また、敵性哨戒レンジ内への侵入と離脱を可能とするため、大容量の燃焼材を積載してい る。
脚部スラスター→ユニット自体はハイザックの物を流用しているが、バーニアスラスターの燃焼室やジンバルが強化されている。
(組立説明書 機体解説より抜粋)


アイザックの初出は機動戦士ガンダムZZ。独特で、偵察用だとわかりやすいフォルムが印象的な機体だ。まさか、ガンダムU.C.で再び見ることになるとは思わなかった。 とは言え、出方はなんとも中途半端ではあったが。
アイザックという名称は元々のベース機であるハイザックから韻を踏んでのことらしい。スペルはEWAC(イーワック)ZACKなのでいわば通称というやつだ。

キットとしての視点から見てみよう。ハイザックのパーツを流用しており、中にはハイザックのランナーにアイザック用の新規パーツを継ぎ足して一枚のランナーにしているも のもある。パーツの精度の違いが顕著であり、ハイザック部分はモールドも甘く古さを感じる。調べたところハイザックのHGUCキットは2000年に発売されたものらしい。 これを流用しているとすれば、技術進歩の点から見ても精度に差が出てくるのは致し方ないだろう。
頭部と一体化された巨大なレドームが最大の特徴である本機だが、やはりバランスが悪く自立をするにもかなりギリギリだ。そして、ボディはほぼHGUCハイザックから流用さ れているものだけに、可動範囲はイマイチ。付属のザク・マシンガンを構えるのもあまりうまくいかない。大改造をしないのであれば、ここは割り切るしかなさそうだ。ただ、 ポージングがほとんどできないという観点から見ると最近のガンプラと比較して遊びにくいキットだと思った。プレバン限定で、定価で発売するのならばもう少しちゃんと仕事を して欲しかったというのが正直な感想だ。


Last updated: 12 Nov. 2017