積みプラ戦記

コラム

No.9 ドキドキ通販

インターネットが普及したことで、僕が最も恩恵を受けているのは情報収集とインターネット通販においてだろう。特に通販に関しては一度その便利さを知ってしまうとわざわざ店に足を運んでモノを買うという行為が、時間と労力の無駄遣いに思えてしまう。特に通販に頼っているのが、僕のメインの趣味であるプラモデルやアクションフィギュア関係で、ここ数年は欲しいアイテムが発売される数ヶ月前から予約を入れておき、発売日から数日以内に手元に届くようにしてある。

プラモデルにしろ、アクションフィギュアにしろ箱が大きくかさばるので店で買って持ち帰るのはなかなか大変で、そして少し恥ずかしいものだ。通販ではその辺の心配が全くないのは当然だが、さらに大型量販店にも引けを取らないほど値引きされているし、Amazonなどは配送料すらかからないときたもんだ。こうなってくると、店頭で購入するメリットというものがなかなか見出しづらくなってしまう。数年前に、インターネット通販でプラモを購入することを覚えてからは、それこそ本当に欲しいか?と疑問に思えるようなものまでポチポチと注文ボタンを押しまくっていた。

インターネット通販は、ものすごく便利で買い逃しの危険も減るし、単品で考えればお買い得といえるのだが、ある程度自制の気持ちを持っていないと、そりゃあ後悔する羽目になるものでもある。この点を肝に銘じておくべきだ。

僕の失敗経験から先に述べさせてもらおう。簡単に言ってしまうと、買いすぎて部屋のスペースをかなり占領してしまった。そして、お金を使いすぎた。要は、自制の気持ちがまるで働いていなかったのだ。失敗の後にインターネット通販ではそうなってしまういくつかの罠があることを思い知った。

罠とは何か。それは、通販サイト側が用意した便利なサービスのことである。サービスを罠とは随分な言い方と思われるかもしれないが、金銭的にそこまで余裕がないのに、物欲が結構激しい人間にとってはしっかりとした罠なのだ。いくつか例に出してみよう。なお、ここでは僕が主に購入している模型、フィギュア関連のインターネット通販での経験を元に述べている。他のジャンルの商品でも同じことがあるかどうかは自分は知らないのでよろしく。

まず、新商品は発売される数ヶ月前から通販サイトに掲載されるようになり、予約という形で注文受付が開始される。確実にモノを手に入れられる確約が数ヶ月も前から得られるというのはとても便利な仕組みだが、実際に商品が手元に届くまでの数ヶ月間に他にもいろいろ魅力的なモノが掲載されていくのだ。ポチポチと気軽に予約しまくった結果、同じ月にどさっと届くこともままある。そして、その月の支払い額に打ちのめされるのだ。そして、Amazonを除く大概の通販サイトでは予約キャンセルは簡単にできない。その時はおお!と思って予約注文しても、1ヶ月後に要らないからキャンセルしたいと思っても難しいということだ。ちなみに間違えて注文してしまったからキャンセルしてくれと、通販サイトに依頼して取り消してもらうことはできるが、何回もやるとそのサイトとは二度と取引できなくなるので要注意だ。

もう一つ大きな罠が限定系の文句が入った商品の存在だ。「初回限定」「購入特典」という言葉が入るとついついその商品の優先度を上げてしまう。本当なら、その商品の購入は保留か後回しにしたいけれど初回限定は逃すと手に入らないからなー、なんて考えに陥ると僕と同じようなルートを辿ることになるわけだ。そして、初回限定やら購入特定のなんと多いことか。多くの商品情報を居ながらに知ることができるインターネットの利点が財布の中身の乏しい人間にとっては脅威となり得る。さらに、忘れてはいけないのが転売屋共の存在だ。特に限定物や人気が出そうな商品は、転売屋の餌食になりやすい。躊躇して後で欲しくなった時に転売屋のふっかけた値段を支払いたくないという気持ちが余計に冷静な判断力を失わせていく。転売屋などというダニに対してはもう少しを規制してほしいもんだ。

最後に、通販サイトの非常に優秀なシステムにも触れておこう。これは最大手のAmazonの他、いくつかのサイトが該当するかと思うが、とにかく容易に購入できるような親切設計なのだ。過去の購入履歴から関連性のある商品をオススメしてくるレコメンドシステムや、購入者の商品レビューが掲載されていたりとインターネット通販でモノを購入する事への警戒心を払拭する気配りもなされている。直接財布からお金を引っ張り出してモノを買わないからこそ少し現実味に欠けており、なおかつ親切に購入へと誘われてはなかなかその誘惑に抗い難い。そして、商品到着後のカード支払い額を見て冷や汗が出るのだ。

このように、インターネット通販は油断していると後で後悔する可能性があるということを述べさせていただく。数ヶ月前から購入管理もできるから一見計画的に進められそうだが、限定物とか突然見知った(サイトにレコメンドされて)アイテムなんかに流されると計画が崩れやすい。特に、趣味に関する商品については気持ちも揺れやすいので、特に油断しないことだ。

僕は今でも趣味のモノを購入する際は主にインターネット通販を利用している。少ない自由時間を店への移動、物色に使わずに済むのは本当に助かる。だが、最近は近所に通えるホビーショップも見つけたので、時間があるときはそっちも覗くようにしている。特に、模型製作に使うツール類はインターネット通販サイトの商品ページではどういったものかイメージできないので、そう言ったモノは現物を見て判断している。どっちにしろ、物欲をうまくコントロールしなければ、いつまで経っても積みは減らないわけだ。

Last updated: Jan. 22 2016