コラム No.2 ニコニコ動画

ニコニコ動画を友達に教えてもらった当初は、けっこう夢中になって見ていたもんだが、最近はほとんど見なくなってしまった。

無料で、もしくはわずかなお金で誰でもweb上に映像配信ができる。しかも、視聴者のコメントが映像上に表示されるから反響も手に取るようにわかる。何かしら自分の創作を世に出したいと思っている人間には夢のようなwebサービスではないか。

最初はそういった創作物を世に出したいという目的の動画作品が沢山あった。著作権的にはグレーな部分も多かったと思うが、それらを素材にして新たな映像を作り出す。投稿者のパワーと情熱を感じ、俺も大いに刺激を受けたものだ。プロ顔負けの高クオリティなものも沢山あった。

それが生放送サービスが開始されると、ニートとチンピラが馬鹿さを競うような内容ばかりになってしまった。

日頃、誰にも相手にされない日陰者が、世間から注目されたいがために犯罪まがいの事をしている。もちろん従来からある創作物を配信している人もいるのだろうが、目立っているのはそういった生放送のクズと踊ったり歌ったりの芸能人気取りの人間ばかりに感じる。

自分の時間を使って視聴する価値を見出せなくなったのでプレミアム会員登録も解除し、見る事もやめてしまったという次第だ。

この劣化は必然なのだろうか。

とあるニートの生主が、「ひらきこもりのススメ」という本をやたらと推していたので、どんな内容かと読んだ事がある。これを書いたのは、よく知らないが作家やったりゲームクリエイターやったりしている人間らしい。

で、ひらきこもりというのは、要するにひきこもりのように家にいながら好きな事で創作を行い、報酬を得て暮らすという生活を言っているようだ。

ニコニコ動画のような投稿サイトと広告収入システムがすでに出回っているから、そういったライフスタイルもあり得るということを言いたいらしい。だが、俺には荒唐無稽で都合のいいことだけしか書いていない扇動文に思えた。

そもそも、そんな生活が成り立つのは世の中に認められ生活できるレベルまで収入が得られたらの話で、そこに行き着くまでには当たり前のように働いて生活を維持していかなければならない。

その辺はまったく触れられていない点では、まるでリアリティのない主張だった。

さらにもう一点、仮に才能に恵まれたとして、ここでいう創作物(あくまでサブカルチャーか、まとめサイト程度の物だとおもう)に、どれだけの人間が金を出すかという部分に付いても特に触れられていない。

引きこもりなら時間がたっぷりあるから、プロよりも高品質な物がつくれるはず。
企業のように中間マージンが発生しないから、実際の収入が地味でもやっていけるはず。こんな論調だ。いちいち、心の中で「いやいや」とツッコミを入れながら読んだ。

ただ、発信できる機会が増えているというのは事実で、世に出る可能性は昔よりも高くなっているという指摘にだけは同意できた。

で、この本にものすごく刺激を受けたであろう、前述のニート生主は働きもせず、ニコニコ動画に自分撮りで適当にしゃべっている動画を配信していたのだ。もちろんそんなもので、自立できるわけもなく実家で寄生虫と化しているわけだが。

結論。カラオケと一緒だ。

誰もが均等にステージに立って歌える場所。それがニコニコ動画だ。
どうやったら人に認められるかは各人の考え次第。得意な歌をチョイスするとか、日頃から練習しておくとか。誰も知らない歌を歌うっていうのもありだろう。

なにも持っていない人間が、ふざけることで悪目立ちしてしまっているのが現状のニコ生の状況なのだとおもう。

そういや学生時代によくいたよ。頭の悪い、努力の出来ない奴はそうやって人の注目を浴びていたわ。そう、ただ悪目立ちしているごく一部が妙に人目につくだけなのだろう。こんな流れは一過性のものだと信じたい。

Last updated: Jan. 25 2015