積みプラ戦記

コラム

No.13 盾と共に帰れ、ガンダム

タイトルは映画「300」で出立するレオニダス王に対して奥方が言った言葉から。

ガンプラやガンダムのアクションフィギュアを使ってブンドドしてそれを記事にしたいと思っているのだが、ふとそのガンダムのデザインについて着目してみようと思った次第である。

ガンダムというロボットのアイコンはかなり明確になっている。それはファーストのデザインとの類似点であるということだ。つまり、額のV字アンテナ、デュアルアイセンサー、白基調で3原色を使ったカラーリング、大型のシールド等、おなじみのあのデザインである。

一見、鎧兜を纏った武者のようであり、西洋の騎士のようでもある。ぶっちゃけかけ合わせただろ?と言いたくなるようなデザインだ。もうこの歳までガンダムに付き合っているとすっかり見慣れてしまって違和感も感じない。この姿こそガンダムなのだ。

ガンダムのフィギュアでポージングを楽しむ際、盾をどう扱うかで結構悩まされるのは僕だけだろうか。盾という防御兵装が侍の国の人間には馴染みがないということもあるだろう。日本の武者は両手で扱う刀、槍、弓、あるいは鉄砲を使用したので片手を封じてしまう盾は使用しなかった。

話題から少しそれるが、そもそも日本ではなぜ盾が廃れてしまったのか。簡単に説明すると、盾を装備することにより片手が封じられてしまうので攻撃力が低下する(両手で扱う武器が使えない)、移動速度が落ちるという点から使用されなくなったということだ。また、肝心の白兵戦においても乱戦になると扱い辛いという点からも、かなり古代の頃から日本人は盾を使わなくなってしまったようだ。

我らがガンダムにはかなり大型の盾が装備されている。ガンダムは格闘戦を主として想定されており、機動性を損なわないように装甲を薄くし軽量化されているので、防御力を補うために盾を装備しているとガンダム関連の書籍に書いてあった気がする。その実、ガンダリウム合金を使用したボディはザクマシンガンの弾を跳ね返すくらいに防御力があるし、調べる限り盾は格闘戦に不向きだったりと色々理屈に合わないことが多い。とはいえ、ガンダムには盾があり、ないとないで落ち着かない。

盾を格好良く扱う姿をイメージするためには盾を扱っている映画等を見るのが一番だ。僕は映画「300」と「トロイ」の一部分を見て盾の扱い方をイメージしている。「トロイ」のブラッド・ピットが扮するアキレスは華麗に盾と槍、剣を操って戦うが、その動きがあまりにもテクニカル過ぎてリアリティがない。ただ、丸盾の切り欠き部分から槍を通して突く技や、盾を背に回して背負ったように構えながら戦う剣技はとてもユニークだった。

そしてもう一つの映画が「300」だ。僕はこの映画に多大な影響を受けている。この映画で表現されている剣技は無骨さと華麗さを見事に融合させている。盾と剣を使ったポージングは「300」をお手本にしたい。

とはいえ、「300」のイメージをそのままガンダムに移植することはできないので、世界観にあった補正を加えつつイメージを再構成していく必要がある。あまり劇中シーンというものに縛られなくとも最低限考慮していくべきことがある。

ガンダムの世界における剣、つまりビームサーベルはかなり威力ある武器で、盾すらあっさりと溶断してしまう。ということは300のように盾を使ってサーベルの攻撃を防ぐというのはあまりガンダムでは表現できない。
ちなみに、F90以降のMSではビームシールドが普及し、こちらの方がビームサーベルの攻撃を防ぐのには適している感じだが、僕的にビームシールドはNGだ。これは模型映えしないというのが主な理由だ。キットでは、ビームシールドはクリアパーツを使って、それらしく表現されているのだが、この膜のような盾にあまり魅力を感じないのだ。やはり、ガンダムの盾はエンブレムの彫られた実体盾の方が格好良い。

映像その他で確認しても、ガンダムでの実際の盾の役割は砲撃を防ぐのがメインのようだ。ビームサーベルの攻撃はビームサーベルで防ぐ。それもそこまで頻繁ではない。その辺を踏まえて違和感というか反感を持たれない程度に300テイストを加えてアレンジするのが良いかと思う。300ではよくやっていたが、盾で相手を殴るというのはガンダムでやってもおかしくないと思うので、これは是非導入してポージングさせてみたい。

Last updated: July 31 2016